経営理念を考える3つのヒント

経営理念を考える3つのヒントは

(1)「なぜ」=WHY
(2)「なに」=WHAT
(3)「どう」=HOW

です。

(1)「なぜ」=WHYこの中で、重要なのは(1)「なぜ」です。この(1)なぜが経営理念の根幹となります。「目的」「理由」「本質的なもの」ともいえます。

会社をやる目的、会社をやる理由、一番の根っこ、その本質、という表現になります。なぜそう判断するのか?という判断基準を示すものでもあります。なぜそう判断するのですか?と聞かれたら、「人として正しいことを判断基準とする」これが理由です、と答えられるものです。「なぜ、会社を経営しているのですか?」に対する答えは、「人を幸せにするため」です。

「会社は人を幸せにするための道具です。」
「会社は世の中に役に立つための道具です」

と社員の方に答えてあげてください。

(2)「なに」=WHATなにをするのか?は、事業の領域を示すことができます。「~な人に~を提供する」は、「だれ」=WHOに「なに」=WHATをするという経営理念になります。「地域の人に安全な食材を提供する」は経営理念といえます。「私たちの会社は医療機器を通じて安心を提供します」という経営理念もあるかもしれません。

ソフトバンクグループの経営理念は、「情報革命で人々を幸せに」です。「なに」をするのかというと、「人々を幸せに」する。そういう会社であろうという意思を表しています。

つまり、「なに」=WHATは、経営理念の中でも、「事業領域」や「意志」、「方向性」をあらわすものといえます。

(h5)「どう」=HOW「どう」=HOWについては、
(1)存在=あり方(How To Be)
(2)方法=やり方(How To Do)
の2つがあります。

(1)存在=あり方は、「我が社はどうありたいのか?」「どういう存在でいたいのか?」といったものです。

セコムは、常に革新的でありつづける。
セコムは、すべてに関して礼節を重んずる。
(セコムグループが実施すべき事業の憲法:ホームページより)

ここでは、私たちの会社は、こうありつづけるという会社の「あり方」「姿勢」「ありたい姿」を伝えています。"How To Be"、どうありたいか、あり方"Being"ともいえます。

(2)方法=やり方
一方、この(2)方法=やり方は、「経営理念」というよりは、「経営戦略」の領域に入ります。どうやるか、実際のやり方、"How To Do"です。「会社から半径30分以内だけを営業する」は「経営理念」ではなく、「経営戦略」です。「経営理念」とは根本となる、考え方、哲学と言えるものであり、その「経営理念」、考え方をより具体的に実行するやり方が「経営戦略」となります。

つまり、(1)存在=あり方(How To Be)は経営理念となりますが、(2)方法=やり方(How To Do)は経営戦略となると覚えておいてください。

5W2Hの中でも、(1)「なぜ」=WHY、(2)「なに」=WHAT、(3)「どう」=HOW、の3つが経営理念を考えるヒントになります。

経営理念は何のためにあるか?

質問「経営理念は何のためにあるのですか?」

この質問に対しての答えは【経営理念はなぜ(WHY)に答えるためにある】といえます。

「我々はなぜ働いているのか?」
「我々は何のために生きているのか?」
「なぜ、この仕事をするのか?」
「なぜ、ここまでやるのか?」
「なぜ、・・・・?」

こういった質問に対しての答えが「経営理念」といえます。それは、働く理由、生きている理由、がんばる理由です。言葉を変えると、労働観、人生観などの世界観ともいえます。なぜ働くのかという働く理由は、労働観ともいえます。そして、なぜ働くのかを突き詰めてゆくと、なぜ生きているのか?自分はどう生きたいのか?どんな人生でありたいのかという、人生観に至ります。

このように物事に対して「なぜ?」「なぜ?」と突き詰めてゆくことを「哲学」と呼びます。従って、経営理念とは経営哲学であるといえるのです。経営に対する「なぜ?」への答えの集積が、経営理念ですから、経営者が経営に対して深く深く考えた末の結晶ともいえるもの、自分の答えが経営理念となるわけです。

創業をする時に強い意志をもって、「私はこういう経営をする!」という経営理念で会社を始める人もいるでしょう。2代目でなんとなく跡を継ぎ、仕事をするうちに壁にあたり「仕事とはなんだろう?」「社員って何で働いていてくれるんだろう?」と悩み苦しんで経営理念にいきつく人もいるでしょう。どんな場合でも、社長という責任の重さに押しつぶされそうになりながら、自分なりに「なんでこうなるんだろう?」「どうしたらいいのだろう?」と悩んだ末の自分なりの答えが経営理念なのではないでしょうか?

ここでのポイントは「なぜ?」(WHY)です

経営理念と企業理念は違うものなのか?

質問「経営理念と企業理念は違うのですか?」

これも多くの方に聞かれた質問です。答えは、「似たものです。でも厳密にいうと違います」といえます。「経営理念は社長が思う経営についての理念」「企業理念は全社員がもつ企業としての理念」といえます。つまり、経営理念は社長が思うもの、経営の考え方、企業理念は社長だけでなく全社員が持つ考え方といえます。従って、企業理念は社風に近い感じになってくるものとも言えます。しかし、現実は「経営理念」も「企業理念」もほとんど同じ意味でつかわれているといっていいと思います。

それはちょうど、「彼はおもむろにタバコを取りだした」という言葉の解釈が、「ゆっくりと」と解釈するのか、突然にと解釈するのか、ある意味どちらとも正しいと言えるようなものかもしれません。もともとの意味はAであっても、Bという意味で使う人が多くなれば、その言葉はBという意味になっていくのです。言葉の意味は時代とともに変化します。

20世紀の現代に日本で「いとおかし」と言う人はあまりいません。でも、平安時代は「とても趣がある」という意味でたしかに使われていたということです。ここまで極端ではないにしても、言葉の意味は変化する、そして、人によって解釈の仕方に違いがあることを前提にしておくことも大切です。

それよりもここで大切なことは、一般的に使われる経営理念という言葉が誤解される可能性がある。注意する必要があるということです。経営理念という言葉は受け取り方によっては、経営者が考える理念であって、社員の考えではないと思われることがあります。会社からの一方的な押しつけのように思われないようにしないといけません。

もちろん、本来は経営者が経営についての根本的な考え方をあらわしたものが経営理念です。ビクビクしながら「ウチの経営理念はこうなんだけど・・・」と社員にお伺いを立てるようなものではありません。しかし、社是、社訓が

「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」

と、あまりたくさんのべし!べし!攻撃をされても社員もいい気持ちはしません。「社長こそ、ちゃんとやってくださいよ」と言われて終り、ということになりかねません。「それは社長がいっている経営理念でしょ」と思われてしまいます。そうではなく、社員全員が素直に心から思えるものであってほしいのです。

「私たちの会社はこういう会社だ」
「こんな考えで仕事をしている」
「こういうところを誇りに思っている」

社員のだれに聞いても同じように気持ちよく答えてくれる状態になることが大切です。それが本来の企業理念という言葉なのかもしれません。経営理念と企業理念は言葉の意味が違うことろからスタートしたとしても、今はほぼ同じ意味でつかわれているといえるでしょう。それよりも、あまり上から目線の経営者の目線からだけの経営理念でないようにしてみて下さい。

経営理念はどう作るのか?

社長が直轄するプロジェクトチームを作ることが必要になります。誰が作るのか?とも関係しますが、社内での人選も大切です。社長が指名する方法もありますし、社内から公募する方法もあります。一つの例としては、部門と年齢をマトリックスにする方法があります。

具体的には、総務・人事部門から一人、営業部門から一人、製造部門から一人、物流部門から一人、開発部門から一人、というようにいくつかの部門を横断します。こうすることで、部門ごとの意見が聞けます。同じように、年齢も20代、30代、40代、50代と各年齢層ごとに一人ずつは入れたいところです。将来の幹部候補を入れる考え方もあれば、ちょっと最近さえない・・・という人を入れることもあるかもしれません。実際には、経営理念という文章を作ることになりますので、ただしゃべるのが得意という人だけでもいけませんし、文章を書くのが苦手な人だけでもうまくいきません。人と人との組み合わせを考えた上で、社長と幹部で人選されてください。

作成プロセスとしては、

1.経営理念をたくさん読む(集める)
2.いいと思うものを選ぶ
3.マネする
4.修正する
5.自社のものとする

と、覚えておきましょう

経営理念はなにを作るのか?

なにを作るとなると、はじめにお話したどれも経営理念と呼べるたくさんの言葉がありました。経営理念、社是、社訓、信条、モットー、スローガン、クレド、ウェイ、ミッション、ビジョン、バリュー、原理原則、哲学、基本方針、個別方針、創業の精神・・・などなど。ここの言葉選びは初めて経営理念をつくる方がとても悩むところでもあります。どれもいい気もするし、どれもよくない気もする・・・。人がたくさん集まれば、1日議論していられるのではないでしょうか?しかし、言葉の定義や考え方の違いだけに時間を使うのはちょっともったいない気がします。それよりも、経営理念の考え方そのものへ議論の時間を使ってもらいたいと思います。

しかし、どうしても大人数で話し始めると話がいろいろな方向に飛んでしまいます。

「信条とクレドは同じなのか?」
「クレドの方がかっこいいでしょ」
「クレドとウェイはどう違うんだ?」
「トヨタウェイとはいうが、トヨタクレドとは聞いたことないぞ」
「トヨタバリューってあるのか?」・・・・・

というように、ある人だけ盛り上がるか、イヤになっちゃうか・・・ではいけないのです。このあたりの言葉の選択は、社長がサッと決めてしまった方がいいでしょう。ある意味ではどの言葉も正しいのです。いったん、いちばん納得しやすいものから始めてみて途中で修正すればいいと思います。

「京セラフィロソフィ」という本があります。これを同じように「鈴木商事(自社の名前」フィロソフィ」として、自社の経営に対する哲学として箇条書きでまとめてゆくのも一つの方法です。つまり、はじめはどの言葉でもいいのです。作る過程が数か月あるのですから、その間に変えていけばいいのです。

例1 信条 信条を羅列する(クレドの方がカッコいいと思うならクレドにする)
例2 基本理念 1.2.3・・・・と考え方を箇条書きにする
例3 ミッション、ビジョン、バリュー(使命感、将来像、価値観の3つにまとめる)
例4 フィロソフィとして羅列する 大家族主義で経営するなど
例5 私たちが大切にする考え方 1.2.3・・・・(わかりやすい表現)
例6 我が社の哲学 例)京セラフィロソフィ =社名フィロソフィ(我が社の哲学、よりフィロソフィがカッコいい、納得がいくと思えばフィロソフィにする)

経営理念はだれが作るのか?

経営理念をつくるのは社長です。これは間違いのないことです。でも、社長だけがつくるのでは社員はその経営理念を受け入れづらいので、社員と一緒に作ることが必要になります。

社長が主導であることは大切ですし、そうでなければならないのですが、社長が一人で全部つくりあげたとすると、それは社長の考え方ではあるが、私たち社員はそう思っていないとなります。反発されると同時に、勝手に社長が言っているとあきれられる感じです。「いや、違う。経営理念とは社長がすべてつくるものだ」という会社ももちろんあります。それが理想的な形です。しかし理念をすべてつくることができる社長ばかりではありませんのでケースバイケースで考えてください。

社長が主導する場合には大まかには、社長が骨子をつくり、社員と対話しながら作りこむイメージです。一番の基本となる部分は社長が決めます。例えば、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」「我が社は00な人のために000の領域で事業を行う」「創業の精神は0000」という部分です。この領域は社長でないと決められないものです。

一方、「最高のサービスを提供する」という項目になると、より現場に近い事例を入れて表現する方がよくなります。そういった場合は、社長がすべてをつくりこむより現場の社員の人の意見を聞き、現場の人がわかりやすい表現で伝えてゆくことが大切になります。

比率としては、社長が作る部分が60%~80%、社員がつくる部分が40%~20%くらいでしょうか。この比率は決まっているものではなく、社長の思いや、社長の性格にもよるものだと思います。社長が大枠を決めて後は社員のみんなに任せるよ、というタイプならば、社長:社員=60:40くらいでしょう。でも、社長が経営理念に対する思いが強く、いろいろと伝えたいというタイプなら、社長の比率が高くなり、社長:社員=80:20くらいになるかもしれません。

行動指針、ミッション、ビジョン、バリューの違い

行動指針の例行動指針は、どのように行動するかの基本となる方針です。

■ローソン「行動指針」
私たちローソンは、企業理念の具現化に向けて、どのような環境の変化があろうとも、共通の価値基準を持って行動してまいります。その変わらぬ価値基準を、自らの行動への問いかけと言う形で、行動指針として定めました。
そこに、みんなを思いやる気持ちはありますか。
そこに、今までにない発想や行動へのチャレンジはありますか。
そこに、何としても目標を達成するこだわりはありますか。

■ベネッセホールディングス「行動指針」
ベネッセグループは人を軸とし、グローバルに活動する企業グループです。
私たちは、一人ひとりの行動そのものが「Benesse =よく生きる」の実現に繋がること、企業人である前によき市民・よき社会人であるべきことを自覚し、この行動指針に則って行動します。

ミッションの例ミッションは、使命、重要な任務、命を捧げる覚悟があるもの、ブレないものです。

■Google「ミッション」(使命)
Google's mission is to organize the world's information and make it universally accessible and useful.
(Googleのミッションは、世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすること。)

ビジョンの例ビジョンは、将来の構想、展望、自社が目指す姿です。

■ANAホールディングス「ビジョン」
ANAグループはお客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します。

ANAグループの経営理念体系は、(1)経営理念、(2)ビジョン、(3)行動指針(ANA's Way)の3層で成り立っています。ビジョンは「こういう姿を目指します」という宣言でもあり、意志を感じさせ、非常にわかりやすくていいと思います。

バリューの例バリューは、価値観、価値基準、判断基準です。

■三井住友海上火災保険「バリュー」
CUSTOMER FOCUSED(カスタマー・フォーカス)「お客さま第一」
INTEGRITY(インテグリティ)「誠実」
TEAMWORK(チームワーク)「チームワーク」
INNOVATION(イノベーション)「革新」
ROFESSIONALISM(プロフェッショナリズム)「プロフェッショナリズム」

行動指針をバリュー、価値観として表現しています。

■ソニー生命保険「バリュー」
ライフプランナーバリュー 4つの約束
計画、共創、プロフェッショナル、社会

わかりやすい4つの単語に解説を付け加える形のバリューです。

信条、モットー、スローガンなどの意味の違い

このような少し繊細な言葉の使い分けをし始めると、次のような疑問が出てくるかと思います。

「では、信条とモットーの使い方はどう違うのか?」
「スローガンとクレドとウェイをどう使い分けるのか?」
「ヤマトホールディングスの社訓はクレドと言えないのか?」

こういった言葉の違いを厳密に理解していくのは後でいいと思います。売上1000億くらいある会社が2000万円以上の予算を使って経営理念をつくる場合は、こういった議論をしてもいいでしょう。しかし、売上10億円クラスの中堅・中小企業で経営理念をつくる場合は、あまり気にしすぎないことです。こういった言葉の違いについては「知っている。でも、あまりナーバスにならない」というスタンスがいいと思います。

信条、クレドの例ジョンソン・エンド・ジョンソンの我が信条(クレド)の最初には、「我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する」とあります。つまり、「『我々の責任はこういう人たちに対するものだと確信する』と信じている、それが道理である」と言っているのです。これが信条です。

モットーの例モットーは、(イタリア語)方針、信条、スローガンという意味です。

カシオ計算機の経営モットーは「創造 貢献」です。それまでにない斬新な働きを持った製品を提供することで、社会貢献を実現するという意味です。

【ザ・リッツ・カールトン「モットー」】
紳士淑女をおもてなしする私たちもまた紳士淑女です。

スローガンの例スローガンは、(英語)理念や目的を、簡潔に言い表わした覚えやすい句です。

カルピスの企業スローガン「カラダにピース CALPIS」は、企業理念をわかりやすくシンプルに表現しています。"カラダ"に良いものがもたらす健康と、穏やかに心安らぐ情緒的な健康、"ピース"の双方を視野に入れた、「『健康価値創造企業』を目指して成長を続けていく」という願いを込めています。

【クオール(調剤薬局経営) 「スローガン」】
あなたの、いちばん近くにある安心。

ウェイの例ウェイは、(英語)道、やり方、方向性、価値観です。

「花王ウェイ」は、花王グループの企業活動のよりどころとなる企業理念(Corporate Philosophy)です。これは(1)使命、(2)ビジョン、(3)基本となる価値観、(4)行動原則の4つで構成されています。「『花王ウェイ』は企業理念です」と言い切っています。つまり、「ウェイ」=「企業理念」と定義しています。使命、ビジョン、基本となる価値観、行動原則を総称して「ウェイ」と呼んでいます。

なお、「ウェイ」を「○○流」「○○方式」「○○イズム」という言い方をする企業もあります。

経営理念を英語で言うと、何という言葉になるでしょうか?

普通はあまり考えたこともないかと思います。そこで、英語で経営理念とはどう表現されているかを調べるとこう書いてあります。

経営理念 = management principle ; management philosophy
Management = 経営
Principle(プリンシプル) = 原理、原則、主義、根本方針
Philosophy(フィロソフィ) = 哲学、人生観

つまり、次のように理解できます。

経営理念 = management principle = 経営の原理原則、主義、根本方針
経営理念 = management philosophy = 経営哲学、経営観

以上をまとめると、こう書いたほうがわかりやすい気がします。

経営理念とは、「経営の原理原則」である、「経営哲学」である、「経営観」である。

「原理原則」を辞書で引くと、「原理も原則も、基本的な決まり・規則の意。重ねることでその意味を強調した言葉」とあります。「原理」は、基本法則、根本の決まり、道理。「原則」は、多くの場合に共通に適用される基本的な決まり、法則です。

「哲学」を辞書で引くと、「各人の経験に基づく人生観や世界観」「philosophyの訳語。ギリシャ語のphilosophiaに由来し、『sophia(智)をphilein(愛する)』という意。西周(にしあまね)が賢哲を愛し、希求する意味で「希哲学」の訳語を造語したが、のちに「哲学」に改めた」とあります。「哲学」という言葉はもともと日本語になく、philosophyという英語を西周氏が訳したものなのです。だから、「哲学」を「哲」と「学」に分けて漢字の意味で考えるのではなく、もともとの言葉、philosophyが意味する人生観や世界観というものの見方(観)と理解するのがしっくりくる感じです。

社是と社訓の違い

社是、社訓、クレドなどの意味の違い

質問:「社是と社訓はどう違うのでしょうか?」

この質問に答えられるだけでも経営理念について詳しい方だと思います。他にも、「経営理念と信条は何が違うのですか?」「クレドとウェイはどっちが強い意味なのでしょう?」など、様々な疑問があると思いますので、ここでも言葉の定義をキチンとしておきましょう。

社是 =会社が是(正しい)とするもの
社訓 =会社で守るべき教え(訓は教えの意)、会社の教訓

信条 =信ずる道理(条は筋の意味)
モットー =(イタリア語)方針、信条、スローガン

スローガン =(英語)理念や目的を、簡潔に言い表した覚えやすい句
クレド =(ラテン語)「志」「信条」「約束」を意味する言葉

ウェイ =(英語)道、やり方、方向性、価値観
行動指針 =どのように行動するかの基本となる方針

ミッション =使命、重要な任務、命を捧げる覚悟があるもの、ブレないもの
ビジョン =将来の構想、展望、自社が目指す姿
バリュー =価値観、価値基準、判断基準

ここで「社是と社訓はどう違うのでしょうか?」という質問への回答をすると、
社是は会社が是(正しい)とするもの
社訓は会社で守るべき教え(訓は教えの意)、会社の教訓となります
社是と社訓は同じです、という方もいますが、より正確に考えると社是と社訓は違うものなのです。

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