経営理念と企業理念は違うものなのか?

質問「経営理念と企業理念は違うのですか?」

これも多くの方に聞かれた質問です。答えは、「似たものです。でも厳密にいうと違います」といえます。「経営理念は社長が思う経営についての理念」「企業理念は全社員がもつ企業としての理念」といえます。つまり、経営理念は社長が思うもの、経営の考え方、企業理念は社長だけでなく全社員が持つ考え方といえます。従って、企業理念は社風に近い感じになってくるものとも言えます。しかし、現実は「経営理念」も「企業理念」もほとんど同じ意味でつかわれているといっていいと思います。

それはちょうど、「彼はおもむろにタバコを取りだした」という言葉の解釈が、「ゆっくりと」と解釈するのか、突然にと解釈するのか、ある意味どちらとも正しいと言えるようなものかもしれません。もともとの意味はAであっても、Bという意味で使う人が多くなれば、その言葉はBという意味になっていくのです。言葉の意味は時代とともに変化します。

20世紀の現代に日本で「いとおかし」と言う人はあまりいません。でも、平安時代は「とても趣がある」という意味でたしかに使われていたということです。ここまで極端ではないにしても、言葉の意味は変化する、そして、人によって解釈の仕方に違いがあることを前提にしておくことも大切です。

それよりもここで大切なことは、一般的に使われる経営理念という言葉が誤解される可能性がある。注意する必要があるということです。経営理念という言葉は受け取り方によっては、経営者が考える理念であって、社員の考えではないと思われることがあります。会社からの一方的な押しつけのように思われないようにしないといけません。

もちろん、本来は経営者が経営についての根本的な考え方をあらわしたものが経営理念です。ビクビクしながら「ウチの経営理念はこうなんだけど・・・」と社員にお伺いを立てるようなものではありません。しかし、社是、社訓が

「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」
「我が社の社員は~すべし!」

と、あまりたくさんのべし!べし!攻撃をされても社員もいい気持ちはしません。「社長こそ、ちゃんとやってくださいよ」と言われて終り、ということになりかねません。「それは社長がいっている経営理念でしょ」と思われてしまいます。そうではなく、社員全員が素直に心から思えるものであってほしいのです。

「私たちの会社はこういう会社だ」
「こんな考えで仕事をしている」
「こういうところを誇りに思っている」

社員のだれに聞いても同じように気持ちよく答えてくれる状態になることが大切です。それが本来の企業理念という言葉なのかもしれません。経営理念と企業理念は言葉の意味が違うことろからスタートしたとしても、今はほぼ同じ意味でつかわれているといえるでしょう。それよりも、あまり上から目線の経営者の目線からだけの経営理念でないようにしてみて下さい。

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