経営理念は経営をするためのツール、道具なのか?

経営理念を経営をするためのツール、道具のように考える人や会社がありますが、本質的には間違っているといえます。経営理念とは何のために経営をするのかといった本質的な考え方をまとめたものであり、経営を始めるにあたっての根幹です。

生きるためにパンを食べるのであって、パンを食べるために生きるのではありません。生きるという目的のために、パンを食べるという手段があり、パンを食べるという目的のために、生きるという手段があるわけではないのです。つまり、パンを食べるために生きるとなると、目的と手段が逆転してしまうのです。

同じように、経営理念を実現するために経営をするのであって、経営をうまくやるために経営理念をつくるのではありません。経営理念を実現するという目的のために、会社を経営をするという手段を使うのであって、会社経営をうまくやるという目的のために、経営理念をつくるという手段を使うのではありません。

ここでいう会社経営を「うまくやる」とは言葉をかえると、社員のモチベーションをあげて利益を出すであり、社外に経営理念を発信することでいい経営をしているように見せかける、となります。そこには何かあざとさを感じます。

経営とは、ロゴやデザインだけでよくなるものではありません。バブルの頃には、会社のロゴやキャッチフレーズをつくることがとても流行りました。しかし、それで会社がよくなったかと問われれば多くの疑問が残ります。ロゴやキャッチフレーズは会社を表現する一つの手段でしかありませんので、本質的に会社が成長することとは違います。一流の企業、本物の企業は経営理念の冊子つくりにパワーや時間を使うのではなく、経営理念の本質の部分に圧倒的な時間を使います。それはつまり、

何のために経営をするのか?
どういった判断基準で経営をするのか?
この経営を通じてなにを実現したいのか?
働くとは何か?
自分はどういった人生を歩きたいのか?

といった哲学的な内容です。そしてさらに、経営全般に関する考え方にも思考の範囲は広がります。

顧客の心理とはどういうものか?
価格の決定とはどうやるものなのか?
社員の気持ちをまとめるにはどうしたらいいのか?
この商品の果たしてきた役割はどういったものか?
これからどんな未来になりどんな生活がされるのか?

といったビジネスを通じた心理学や未来予想などです。より広く、より深い、哲学よりも優れた考え方を持つ必要があるのが経営者であり、その思想体系をまとめたものが経営理念といえるのです。

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