経営の目的を変える勇気

稲盛氏は創業3年目に、入社間もない社員による、給与やボーナスを保証してくれという反乱事件に出会います。「つくったばかりの会社でそんなことが約束できるはずがない」という稲盛氏と社員たちは三日三晩話し合ったといいます。

会社経営をすれば、自分の家族への仕送りもままならないというのに、赤の他人の面倒を一生涯保証しなければならなくなるという現実に経営者として直面したのです。「なんとバカらしい、こんなことなら会社をつくらなければよかった」と思ったそうです。なぜなら、京セラの創業の目的は「稲盛和夫の技術を世に問うため」だからでした。

自分の技術を世に問うなら、サラリーマンをしてもできたわけです。しかし、会社をつくったがゆえに、社員の生活を守らなければならなくなったのです。そこで自分の技術者としての理想を捨て、「考えを変えて」、経営の目的を「全従業員の物心両面の幸福を追求する」とし、公器としての責任を果たすために「人類、社会の進歩発展に貢献すること」を加えたといいます。

ここに稲盛氏の"悟り"を感じるのです。「経営の目的を変える勇気」を感じるのです。自分自身の考え方、経営理念が一段上に昇華されることで会社が大きく育つ土壌ができた瞬間なのかもしれません。

経営の目的を考えることは大切です。なぜなら、それによって会社のあり方が大きく違ってくるからです。経営の目的を「自分の技術を世に問うために」から、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」に変えた瞬間に、大きな変化が現われたといえます。

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