経営の目的を考える

経営者の心が変わる、社員のモチベーションが変わる

経営の目的を考えると、2つの側面から大きな変化があるといえます。
(1)経営者の心が変わる
(2)社員のモチベーションが変わる

経営者の心が変わるとは、経営者の心が「利己」から「利他」へ変わるということです。自分だけよければいいという「利己」の経営から、人のためによかれという「利他」の経営になるのです。

具体的には、経営の目的が「自分の技術を世に問うため」だと、あくまでも自分中心の考え方の「利己」です。自分のモチベーションは高く、いい製品がたくさんできたかもしれません。しかし、社員にしてみると「社長の財産を増やすために自分は働かされている」となり、モチベーションは上がりません。この点が経営者と社員の決して埋まることのない溝となるのです。社長の方なら必ず経験したことがある思いではないでしょうか。

しかし、経営の目的を「全従業員の物心両面の幸福を追求する」にすると、全員の幸せのためという「利他」になります。言葉にすると「利己」と「利他」という簡単な言葉の違いですが、現実は180度、まったく違ってきます。

自分の財産を増やすために「働け!」といっても、言うほうに迫力がないのです。「利己」だからです。自分のためという「利己」だと、どこか後ろめたさが残るのです。社員の方でも、表面上は「はい!」といっても心の中では「また、社長が怒鳴ってら」としか思っていません。人がついてこないのです。社員は面従腹背です。

一方、「みなが幸せになるために頑張って働こう!」となると、言うほうの迫力が違います。「みなががんばっているのに、なぜ君だけ働かない!」と言えるのです。もちろん、社長自身もがんばっていないとダメです。夜遊びばかりではいけません。「私もがんばっているのだから、君もがんばってくれ!」と強く言えるのは「利己」ではなく「利他」という思い、根本の「目的」があるからなのです。

つまり、経営の目的を自分だけよければいいという「利己」から、人のためにという「利他」に変えることで、社長の考え方を変えざるをえないのです。しかし、そのことによって社長に強さが出ます。社長の話に説得力が出るのです。そして、そのためには社長自身が「自分だけのため」という考え方を捨てて、「社員のため」という思いを持つことが大切です。ある意味、自分自身の我を捨てる「無私」の境地です。「自分自身の身を経営に捧げる、社員のために捧げる」という決意が必要になってきます。このことが、経営者にとって非常にむずかしいことなのです。

そしてこの考え、経営理念ができ上がったことで、社員のモチベーションが大きく上がります。社長の財産を増やすために仕事をしていると思って働くのと、みんなのために良い会社にしようと思って働くのとでは、働き方がまったく違ってきます。生産性が何割も違ってくると容易に想像できます。

これが、経営理念が会社の業績に大きな影響を与える理由の一つです。経営理念とは人の心を動かす大きな力を持っています。そして、こういったことによって会社が急成長を遂げてゆくのです。経営理念を変えれば、会社は大きく変わります。そして、経営の目的を変えるということが、最も大きく経営を変える第一歩となります。

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