「管理会計」と「財務会計」

管理会計と財務会計は違います。簡単にいうと管理会計というのは、いまの経営の数字を確認、理解するための管理のための会計であり、財務会計とは国に対する税金の申告などのための会計です。

たとえば、財務会計とは1月の数字が締まると、その会計上に必要な数字をすべて確認をし、その翌々月中旬、つまり、3月の15日に出てくるようなものです。しかし、これでは実際に経営をするときには数字が遅すぎてまったく役に立ちません。

八百屋さんをイメージしてみてください。白菜を売るときに、月末に締めて翌々月の中旬にその状況がわかっても役に立たないうえに、2か月後には在庫である野菜自体は腐っているはずです。1月の末の白菜が100個あるということが、3月の15日にわかったとしても、その時点ではすでに腐って使い物にならなくなっているということなのです。

私は半導体関係の会社で務めたことがありますが、半導体の価格というのは、当時価格の下落が激しく、1か月の中で2回くらい出荷価格が変わりました。店頭価格はもっと激しく、週に1回、月に4回というようなペースで価格が変わっていくこともよくありました。そういった値動き、市場の変化が激しい業界において、財務会計というのはほとんど意味を持ちません。なぜなら、1月末で締めたものが3月の末に上がってきても、毎日の実務には何の手も打てないからです。

それを解決するために管理会計というものが必要になります。それはちょうど八百屋さんが1日に3回店頭で値段を変えるようなイメージです。昼1個100円だった白菜が売れ残りそうになれば、夕方の5時に90円にし、店を閉める1時間前の7時にまだ残っているのであれば、その100円の白菜は90円、70円、50円と値段が下がっていくはずです。つまり、その日の売上や収支をはっきりさせるために、その日中に価格を変え、売上を決定していくのです。

このように毎日、決算を出して今日の状況を把握し、管理するためのものが管理会計です。それと同じようなことを大きな会社でもやる必要があるということです。もちろん、「在庫がこれだけたくさんある」「毎日の棚卸しなんてできるわけがない」「現金の回収がお客さんからの請求書が来ない」などのたくさんの問題があるとは思います。しかしそれをいったん、仮でもいいから数字を入れ「このくらいの売上になる」「これくらいのコストがかかる」「このくらいの利益が出る」というものを確定していく必要があるということです。

飛行機に乗っていて計器を見ずに飛ぶことができないように、やはり毎日の数字を見ずに経営はできません。より良い経営をする、社員を幸せにする、利益を出すという理念を持つのであれば、必ず数字を見てゆく必要があります。

その経営理念は日次で決算をする、月末で締めたら翌3日以内に決算の数字を出すといった事実に反映されます。つまり社員を幸せにする経営、高収益の経営を追求すのであれば、より正しい経営数字を毎日把握するということが必要になってくるのです。経営理念を数字に落とし込むこと、これも経営理念といえるのです。

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