経営理念の3つのレベル

経営理念は次の3つのレベルで表わすことができます。

(1)ゆるい経営理念 = なんとなく判断する、あいまいな考え方
(2)いわゆる経営理念 = 一般的に経営理念があるといっているもの
(3)本物の経営理念 = 哲学となっている、信念となっている、言行一致しているもの

また、別の視点から、社長や社員が経営理念について聞かれたときの答えは、次のようになる感じです。

(1)ゆるい経営理念なら、「うちには経営理念がない」
(2)いわゆる経営理念なら、「一応、経営理念はあるよ(でも、言えない......)」
(3)本物の経営理念なら、「経営理念をもとに経営をしている(きっぱり)」

しかし、「経営理念はありますか?」と聞かれると、(1)ゆるい経営理念も、(2)いわゆる経営理念も、(3)本物の経営理念もすべてが同じ「経営理念」という言葉なので、お互いに違ったレベルで話していることがよくあります。

よくある経営理念の誤解の一つに、「経営理念は一つの短い文章にする」というものがあります。なんとなく、きれいごとの文章が額に入っているイメージです。これは(2)いわゆる経営理念であり、(3)本物の経営理念とは少し違っているといえるかもしれません。なぜなら、経営に対する広い視点(人生観、社会観、経済観)と思いの強さという2つの軸から見ると、少し物足りない感じがするからです。

もちろん、たった一つの文章に経営理念を凝縮された素晴らしい経営理念もあります。P・F・ドラッカーは使命はTシャツに書けるくらい簡潔なものであるべきといいます。「我々の使命は00を通じて人を幸せにすること」といった短いものです。しかし、その一文だけではさまざまなことが起こる経営全体に対する判断基準を表わすことはむずかしいと思うのです。

ですから、経営理念を一文だけで表わそうとすることにこだわりすぎずに、より多面的に自社の信念、哲学にあたる領域を表現するようにすることです。そうすれば、社員が多くなっても全社員に会社として大切にする価値観をより具体的に伝えることが可能になります。

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