経営理念は始めからあるのか?

力強い経営 松下幸之助実をいえば、私自身事業を始めた当初から明確な経営理念をもって仕事をしてきたというわけではない。私の仕事はもともと家内と義弟の三人で、いわば食べんがために、ごくささやかな姿で始めたことでもあり、当初のあいだは経営理念というようなものについては、何らの考えもなかったといってもいい。

もちろん、商売をやる以上、それに成功するためにはどうしたらいいかをあれこれ考えるということは当然あった。ただそれは当時の世間の常識というか、商売の通念に従って、"いいものをつくらなくてはいけない、勉強しなくてはいけない、得意先を大事にしなくてはいけない、仕入先にも感謝しなくてはならない"というようなことを考え、それを懸命に行うという姿であった。

そういう姿で商売もある程度発展し、それにつれて人もだんだん多くなってきた。そして、そのときに、私は"そういう通念的なことだけではいけないのではないか"ということを考えるようになったのである。

つまり、そのように商売の通念、社会の常識に従って一所懸命努力することはそれはそれできわめて大切であり、立派なことではあるけれども、それだけでなく、何のためにこの事業を行うかという、もっと高い"生産者の使命"というものがあるのではないかと考えたわけである。

そこで私なりに考えたその使命というものについて、従業員に発表し、以来、それを会社の経営基本方針として事業を営んできたのである。それはまだ戦前の昭和七年のことであったけれども、そのように一つの経営理念というものを明確にもった結果、私自身、それ以前に比べて非常に信念的に強固なものができてきた。

そして従業員に対しても、また得意先に対しても、言うべきことを言い、なすべきことをなすという力強い経営ができるようになった。また、従業員も私の発表を聞いて非常に感激し、いわば使命感に燃えて仕事に取り組むという姿が生まれてきた。

一言にしていえば、経営に魂が入ったといってもいいような状態になったわけである。
松下幸之助

経営理念は始めからあるのか?経営理念は起業するときからないとダメ!という方も多いようですが、上記の松下幸之助の言葉にあるように決してそうではありません
会社を作ったときはまず、食べるために働いているのが多くの方の姿です
食べることもできないのに「経営理念が大切!」と叫んでいても会社が倒産したら元も子もありません

「衣食足りて礼節を知る」という言葉があるように、はじめは食べるために働いていても何ら恥じることはありません
しかし、売り上げがたち、社員を数人でも雇うようになったら経営理念について考え始めることは大切です

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